私たちは主に架線工事を行います
送電線工事のクライマックスが、私たちラインマンが行う架線工事です。
数十キロメートルにもわたって立ち並んだ鉄塔の間を電線で繋いでいきます。
時には地上百数十メートルもの高さに張られた電線の上で、人の手でしかできない高度な技術が必要な作業を一人ひとりが自信と誇りを持って行います。
また、建設後数十年も風雨に晒され続ける電線は、やがて劣化していきます。
そのような電線も全国には沢山あり、日々ラインマンが張り替えています。
架線工事の流れ
01ロープ・ワイヤー延線
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まずは鉄塔と鉄塔の間に細いロープを張ります。
これを徐々に太いものに引き替えていき、次に電線に引き替えられる強度のある太いワイヤーにします。
はじめの細いロープを張る作業方法は地形や周辺の環境によって千差万別です。
写真のようにヘリコプターを使ってダイナミックに行うこともあれば、人力でロープを引っ張って鉄塔間を歩くこともあります。また、ドローンによるロープ延線も数多く行われています。
02電線延線
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ワイヤー延線後、ワイヤーに電線を接続してワイヤーを巻き取り、電線と張り替えます。
ワイヤーを巻き取る場所をエンジン場、電線を送り出す場所をドラム場と言います。
エンジン場には強力なウィンチと、ワイヤーを巻き取るリール巻取機が並び、ドラム場には電線を送り出す延線機と、電線やワイヤーを巻いた「ドラム」がいくつも並びます。エンジン場とドラム場、そして要所要所に配置された中間監視員どうしで常に連絡を取り合いながら、電線が過度に張ったり極端に垂れ込んだりすることのないよう電線を延線します。
03緊線
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鉄塔間に電線が張られて延線が完了すると、緊線工事を行います。
電線には設計上決められた弛みを持たせることが必要で、この弛みを調節しながら電線を鉄塔のがいしに取り付ける作業を緊線といいます。
電線の長さが1センチ違っても電線の弛み幅が大きく変わってしまうこともあるため、ラインマンの技術と経験、勘が問われる作業です。
04付属品取付
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緊線が終わると、着雪防止のリングや、電線同士が接触しないようにするスペーサーなどの付属品を取り付けます。
街中にある送電線では、民家の屋根や車や人の行き交う道路の真上での作業が連続するため、落下物のないよう緊張感を持って行います。最後に関係各所による検査を経て、送電線が完成します。